CROSS TALK 02
未来に向けた
クルマづくり
マツダならではの「クルマづくり」とは、一体どんなものなのでしょうか。日々、マツダの車に真正面から向き合っている整備士たちに、マツダ車の魅力について解説してもらいました。自動車業界が過渡期にあると言われているなか、マツダが目指す未来のクルマの姿とは?
MEMBER
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サービス I.Y
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サービス T.Y
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サービス T.S
昔から、
車づくりの理念がブレていない
- 僕はもう30年くらい整備士をやっていますけど、昔と比べて随分と技術が進化したなと実感しますよ。マツダは車づくりの目標のひとつに〈事故を減らすこと〉を掲げているけど、独自の先進安全技術『I-ACTIVSENSE』なんて、本当に進化が目覚ましい。
- 僕も20年ほど整備士をやっていますけど、その実感がありますね。まずはABS(アンチロック・ブレーキ・システム。急ブレーキ時にタイヤのロックを防ぐ機能のこと)がついて、その次にエアバックがついてと、時代ごとに技術革新が進んできました。今やエアバックなんて当たり前ですけど、昔はなかったですもんね。
- 安全性が高まれば、運転する楽しさも増す。それって、マツダの『走る歓び』を届けたいという理念に基づいていますよね。走る歓びでいうと、ドライビングポジション(運転姿勢)にも、相当こだわっています。
- お客様が運転を楽しむために何が必要かを考えた時に、ドライビングポジションこそが、マツダの理想の走りの基礎だと気づいたんだよね。人間工学に基づいた位置にアクセルやブレーキがあれば、疲れずに運転ができるし、安全性の向上にもつながる。“人間中心の考え方”を設計思想の根本においてクルマづくりに取り組んでいるのは、マツダならではだと思います。
- アクセルペダル、ブレーキペダルの位置なんかも考え抜かれているから、ぜひ注目してもらいたい。人気車種の『CX-60』には、『ドライバーパーソナライズ』という機能もつきました。これは、車に搭載されているカメラが人の目線を判断して、最適なドライビングポジションを自動で取ってくれるという画期的なシステム。登場した時は、びっくりしたなあ。
安全性能に対する考え方にも、
マツダらしさが
- 『CX-60』や『CX-90』といった大きめの車種に搭載されている『8速オートマチックトランスミッション』も、マツダらしいよね。マツダが独自開発した変速装置で、エンジン応答の良さをダイレクトに伝え、かつ遅れを感じさせない変速応答や変速間隔を作り込むことによってリズム感のある軽快な走りを目指そうというもの。まさに『走る歓び』を届けたいの一環で生まれたものだよ。昔の車って、自分がギアを動かして運転しているという感覚がダイレクトに感じられて、それが運転の醍醐味でもあったから。
- 人の感覚に一致した運転って、クセになりますよね。こうやって話していると、マツダは一貫して『走る歓び』を提供することにこだわって、車づくりをしていることが良くわかりますね。たとえば安全技術の開発においても、他のメーカーだと一に「安全」、二に「走行」という優先順位だと思うんだけど、マツダの場合は、一に「走る歓び」、二に「そこについてくる安全」という感じ。お客様に運転を楽しんでもらいたいという想いが第一にあって、そしてそれに対して最大限の運転支援、安全支援をしますよ、というのが基本姿勢。アプローチがまったく違っているのが、マツダらしくておもしろいなと思います。
未来に向けた
『直列6気筒ディーゼルエンジン』
- マツダは、2020年に創立100周年を迎えました。次の100年に向かうために、サステイナビリティとクルマに対する情熱の両立を目指す未来ビジョン『サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言 2030』を掲げていますが、なかでもハイブリッド車用に新開発した『直列6気筒ディーゼルエンジン』は、個人的に要注目。これまで両立が難しかった〈パワフルな走り〉と〈燃費の良さ〉を両立させているんです。
- エンジンというのは、排気量が大きくなればなるほどパワフルな走りができるようになるけれど、一方で排気量が大きいエンジンは燃費と排ガス性能が悪いから、環境にやさしくない。そのデメリットを最新技術で解消したのが『直列6気筒ディーゼルエンジン』だね。
- 僕も実際に『直列6気筒ディーゼルエンジン』が搭載された『CX-60』に乗ってみましたが、アクセルを踏んだ瞬間に、踏んだ分だけ忠実に加速してびっくりしました。シンプルなエンジン構造によってハンドリング性能も向上しているから、自分の意のままに車を操っているという感覚があって運転するのがすごく楽しかった。おまけに環境にも配慮されているなんて、本当にすごいです。
未来のクルマについて、
マツダが思うこと
- EV化の波がどんどん押し寄せてきているけど、『走る歓び』を大切にするマツダでは、未来のクルマについて、他メーカーとはやや異なるビジョンを持っているよね。「電気で車が走る」と聞くとクリーンな印象を持ちがちだけど、日本国内においては、バッテリーを充電する際に使う電力は、環境負荷の大きい火力発電から得ている場合がほとんど。つまり、もとを辿れば化石燃料を使っていることになる。しかもバッテリーの製造工程でもCO2が排出されるから、EV車が増えると、結果的に世界中のCO2排出量が今よりも多くなってしまうのではとマツダは危惧している。
- 各地域のエネルギー事情や電力の発電構成などをふまえて、長年にわたって車の動力として扱われてきた内燃機関(燃焼室内で燃料を爆発燃焼させ、動力を発生させる機関のこと)の効率を大幅に改善することが、最良の解決策だと考えていますよね。さっき話に出てきた『直列6気筒ディーゼルエンジン』も、少ない燃料でパワフルに車を走らせるほうが、化石燃料を使って発電するよりクリーンなのではと考えて開発したものだし。
- 『直列6気筒ディーゼルエンジン』にマツダの新しい電動化技術を組み合わせたハイブリッド車も、すでに大きな反響を得ていますよ。人と環境に優しく、誰もが純粋に『走る歓び』を感じられる新しい夢のエンジン、ぜひ体感してほしいですね。
- これらはあくまで現時点での考え方だから、もしかしたら将来的にマツダも完全電動化の方向に進むかもしれない。だけどどの道に進んだとしても、技術革新というのは、今ある技術が土台となって起こるもの。僕たち整備士は日々勉強を重ねて、今ある技術と知識をしっかりと身に着けておかなければならないね。そうして、お客様に安全と『走る歓び』を届けたいね。